NEUROSURGICAL EMERGENCY
Online ISSN : 2434-0561
Print ISSN : 1342-6214
急速に片麻痺を呈し脳梗塞との鑑別が困難であった頚椎黄色靱帯石灰化症の1例
松本 洋明下川 宣幸佐藤 英俊吉田 泰久
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2020 年 25 巻 2 号 p. 301-305

詳細
抄録

 頚椎黄色靱帯石灰化症は稀な疾患で,通常は緩徐に神経症状を呈するが多いが,時に急速に神経症状を呈することがある.今回我々は,急速に片麻痺を呈し,脳梗塞との鑑別が困難であった頚椎黄色靱帯石灰化症の1例を経験したので報告した.症例は89歳女性で,突然の右片麻痺と右上肢痛,頚部痛を主訴に,発症2時間で救急搬送された.頭部精査で明らかな異常は認めなかったが,超急性期脳梗塞として加療を受けた.翌日になっても脳内に異常が認められなかったため,頚椎精査を行ったところ黄色靱帯石灰症を認めた.直ちに後方除圧術を行い,神経症状および頚部痛は速やかに改善した.

著者関連情報
© 2020 日本脳神経外科救急学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top