日本栄養・食糧学会誌
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研究ノート
生活習慣病患者における体組成の評価・分析法
岸本 正実幣 憲一郎田中 真理子和田 啓子福田 美由紀姫野 雅子桑原 晶子小川 蓉子木戸 詔子稲垣 暢也田中 清
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2009 年 62 巻 5 号 p. 253-258

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抄録

肥満は通常body mass index (BMI) によって判定されるが, 本来肥満は脂肪細胞過多である。そこで本研究では生活習慣病患者166名を対象に, BMIとbioimpedance analysis (BIA) 法による体組成の関係を検討した。BMIは体脂肪量と, 相関係数0.914と強く相関したが, 除脂肪量とは相関係数0.434と中等度にとどまり, BMIと除脂肪量の相関係数は, BMI≧25 kg/m2群ではBMI<25 kg/m2群より低かった。BMIによる肥満 (≧25 kg/m2) と, 体脂肪率による肥満 (男性≧20%, 女性≧30%) の関係は, 後者の判定に対して前者の特異度は高いが, 感度は低く, BMI25 kg/m2以上では, ほぼ確実に体脂肪率による肥満が存在するが, 25 kg/m2未満でもその存在を否定できない。栄養アセスメントにおいて, BMIに加えて体組成評価の併用が必要であり, また感度・特異度などによる解析を考慮すべきである。

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© 2009 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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