日本栄養・食糧学会誌
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ミカン未熟果と緑茶三番茶葉を混合して製造した可溶性ヘスぺリジン含有発酵茶の開発
中山 久之田中 隆宮田 裕次齋藤 義紀松井 利郎荒牧 貞幸永田 保夫田丸 靜香田中 一成
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2014 年 67 巻 2 号 p. 95-103

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抄録

有効利用されていないミカン未熟果と緑茶三番茶葉を, 緑茶製茶機械を用いて混合揉捻した新たな発酵茶の開発を行い, 発酵茶に含まれるヘスペリジンの溶解性を高める製造条件を追究した。ミカン未熟果と三番茶葉を混合揉捻することで, ヘスペリジンの水, 熱水およびエタノールへの溶出率が向上し, ミカン未熟果と茶葉の混合比率が1:3, 揉捻時間が20分の製造条件で最も高かった。この条件で製造した未熟ミカン混合発酵茶には, ミカン由来のシネフリン, ナリルチン, ヘスペリジン, 茶葉に由来するカテキン類およびカテキン類の酸化により生成した紅茶ポリフェノール類が含まれていた。紅茶を抽出して得られたエピガロカテキンガレートや紅茶ポリフェノール類を主成分とする水溶液とヘスペリジンを混合すると, ヘスペリジンの溶出率は増加した。未熟ミカン混合発酵茶は, ヘスペリジンの溶解性を向上させることから, 新たな機能性食品素材となる可能性が示唆された。

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© 2014 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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