日本栄養・食糧学会誌
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研究ノート
ラットにおけるビタミンK1またはビタミンK2経口投与によるアルカリホスファターゼ活性への影響
祓川 摩有曽我部 夏子田辺 里枝子五関‒曽根 正江
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2015 年 68 巻 5 号 p. 217-223

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抄録
アルカリホスファターゼ (ALP) は, リン酸エステルを無機リン酸とアルコールに加水分解する酵素である。小腸型ALP活性は脂質の投与により上昇することが知られているが, 生理的機能については不明な点が多い。そこで今回, ビタミンK1 (PK) またはビタミンK2 (MK-4) 経口投与によるALP活性への影響について検討を行った。7週齢のSD系雄ラット56匹について, PKを経口投与したPK群, MK-4を経口投与したMK群とし, 投与前, 投与後1.5, 3.0, 4.5時間後に小腸, 肝臓, 腎臓のサンプルを採取した。その結果, PK群またはMK群において, 十二指腸および回腸上部のALP比活性が投与前に比べて有意に高値を示した。一方, 肝臓や腎臓では, ビタミンK経口投与によるALP活性への影響は認められなかった。以上の結果から, PKまたはMK-4の経口投与により, 小腸のALP活性が増強されることが明らかになった。
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© 2015 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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