日本栄養・食糧学会誌
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野菜・果物からのポリフェノール摂取量の季節差に関する検討
田口 千恵岸本 良美福島 洋一才田 恵美田中 未央里近藤 和雄
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2017 年 70 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

我々は飲料調査 (1996‐2013) の解析から, 日本人の飲料からのポリフェノール摂取量は夏に少なく, 冬に多いことを報告している。日本人の食事は旬の食材を多用するため季節により内容が異なるが, 食事からのポリフェノール摂取量の季節差についてはわかっていない。本研究では摂取量の季節差が大きいと考えられる生鮮野菜と生鮮果物について, ポリフェノール摂取量ならびに摂取源の月ごとの変動を検討した。家計調査の2015年月報データに掲載された野菜・果物の購入量を摂取重量とし, 各食材のポリフェノール含有量と掛け合わせることでポリフェノール摂取量を算出した。その結果, 生鮮野菜からのポリフェノール摂取量の季節差はほとんどみられず, 全ての月でたまねぎが摂取源の1位であった。生鮮果物からのポリフェノール摂取量は夏に少なく12月が最も多く, その季節差にはみかんやいちごの関与が大きかった。野菜と果物から摂取しているポリフェノール量にはある程度の季節差が存在し, 食事全体においても夏にポリフェノール摂取量が少ないことが推察された。

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© 2017 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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