日本栄養・食糧学会誌
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総説
生活習慣病予防に資するポリフェノールの食品機能学的研究
(平成28年度日本栄養・食糧学会学会賞受賞)
芦田 均
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2017 年 70 巻 5 号 p. 213-223

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抄録

ポリフェノールは生活習慣病をはじめとする様々な疾病の予防・改善に関わる機能性を発揮することが期待されている。本稿では, フラボノイドによる薬物代謝系調節作用機構と肥満・高血糖予防作用機構について, われわれの知見を中心に解説する。薬物代謝系調節作用機構の鍵分子であるアリール炭化水素受容体 (AhR) に対して, フラボノイドは, そのサブクラスの構造に依存した抑制効果を示す。特に, フラボンとフラボノールは, AhRのアンタゴニストとして作用することで, 化学発がん物質による薬物代謝酵素の発現誘導を抑制する。肥満予防効果の鍵分子は, さまざまな組織でエネルギーセンサーとして働くAMP活性化プロテインキナーゼ (AMPK) であり, 一方で, 高血糖予防効果の鍵分子はグルコース輸送担体4型 (GLUT4) である。また, 筋肉細胞においてはAMPKがGLUT4の細胞膜移行を促進する。これらの鍵分子に対するポリフェノールの作用例を紹介する。

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