緑茶の多彩な生理作用 (抗がん作用, 抗アレルギー作用, 血圧降下作用, 脳血管障害予防作用, コレステロール低下作用など) にはエピガロカテキンガレート (EGCG), エピカテキンガレート, エピガロカテキン, エピカテキンなどのカテキン類が関与している。特にEGCGは緑茶に特有な成分であり, 緑茶の生理作用に深く関係していると考えられている。著者らはEGCGの細胞膜受容体として67-kDaラミニンレセプター (67LR) を同定した。また, EGCGの抗がん作用, 抗アレルギー作用, 抗炎症作用などの生理作用は67LR依存的であること, EGCGの67LRを介した生理作用の発現過程 (EGCGセンシング) にMYPT1, eEF1A, PP2A, Akt, eNOS, sGC, PKCδ, 酸性スフィンゴミエリナーゼ, スフィンゴシンキナーゼ1, cGMPといった分子が関与することを明らかにした。一方, 緑茶と併用摂取する食品因子がEGCGセンシングに作用することでEGCGの生理作用に影響を及ぼすことを示した。