日本栄養・食糧学会誌
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BARLEYmax由来難消化性炭水化物の構成およびその定量的な優位性がin vitroにおける腸内発酵特性に与える影響
佐藤 駿永田 龍次福間 直希島田 謙一郎田宮 大雅中山 保典韓 圭鎬福島 道広
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2020 年 73 巻 3 号 p. 81-91

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抄録

大麦品種BARLEYmax (BM) は一般品種の大麦より食物繊維やレジスタントスターチを豊富に含む。本研究では一般大麦品種であるハインドマーシュならびに対照区であるセルロースと比較してBMのin vitroにおける腸内発酵特性を検討した。実験1では2種の大麦を同等に使用し, 実験2ではBMに難消化性画分が多く含まれることを考慮して検討した。大麦試料を消化酵素により加水分解してその残渣物をin vitro培養槽に供試し, 48時間の培養試験を行った。実験1において, BM添加区はハインドマーシュ添加区より培養後期での高い短鎖脂肪酸産生を示した。実験2ではそれに加えて, BM添加区は培養期間を通して短鎖脂肪酸産生の増加およびアンモニア態窒素の低下を示した。以上の結果から, BMは短鎖脂肪酸を持続的に産生し, さらにその多量な難消化性成分により, 有効な腸内発酵特性を示す可能性が示唆された。

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© 2020 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
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