栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
貯藏による野菜および果物のビタミン含有量の変化について
第3報 かき みかん りんご
広部 りう高木 和男増田 富江望月 英男小峰 みえ子
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1957 年 10 巻 2 号 p. 59-62

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抄録

(1) 前報に引続いて果実を氷室中に貯蔵した時の成分変化をしらべた。用いた果実は, かき, みかん, りんごである。
(2) かきを氷室貯蔵すると4週間目に軟化してブヨブヨとなり, 6週目にはさらに形がくずれ, 8週目にはほとんど全部にカビを生じた。
(3) かきを貯蔵した場合には, カロチン, ビタミンB1およびB2は, 何れも貯蔵により含有量の増加をみたが, 最後の6週目に急激に減少した。ビタミンCは逆にわずかずつ減少を示し, 最後に増加した。
(4) みかんは4週目頃よりカビを生じて腐敗をおこしたが, 8週目よりは急速に腐敗が進んだ。
(5) みかん中のビタミン含有量は, 何れも12週頃までは大差なく, それ以後からははつきりと減少を示した。
(6) りんごは紅玉種を用いたが, 約6ヵ月の貯蔵はさして困難ではないが, 11週頃より, りんごの中心部にカビが生えて来た。
(7) りんご中のビタミン含有量は, ビタミンB1において10週までは変化なく, それ以後は増加し, ビタミンB2は全期を通じて大差なく, ビタミンCは貯蔵後4週にして保有量が著しく減少した。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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