抄録
各種飼料投与に際して白鼠腸液中Alkaline phosphatase力価を比較検討し, 高蛋白食投与に際し本酵素力価が高値を示す事を認めた。又腸液中及び腸壁中本酵素値を比較した所, 基本食投与に際しては, 腸液中の本酵素作用が常に腸壁中のそれを上廻つているに反し, 高糖食にては, 腸壁中のそれが, 腸液中よりも高位を示す様である。この関係は副腎剔出白鼠に就ても認められたが, 特に腸液中の本酵素減弱が日立つている。尚本実験に際して用いた腸液中Alkaline phosphataseは胆汁のそれが混入している事は避け得ないから, 別の機会に胆汁と腸液を分離して繰返し検討する予定である。