抄録
上表を一見するに胚芽の貯蔵中のBの変化は原料胚芽の損傷の程度に関係する所が大きいようである。その他胚芽の腫類・品質・水分含量等によつても異ることであろう。
B1の損失は胚芽損傷度の最も少いはだか麦胚芽では最も少く, 米・大麦の胚芽がこれに次ぎ, 小麦胚芽は強く圧平してあつた為か損失が大きかつた。
これらの胚芽を新しい内に炒つたものでは, 炒ることによりB1の損失があるが, 貯蔵中の損失率は甚だ少く, かつ風味もよく貯蔵により風味の悪化することもなく, 胚芽の食用利用上良好であつた。
B2の含量は少なかつたが, その損失は一般にB1に比べて少なかつた。また炒つたものは貯蔵中の損失率が少なかつた。
B6は温所で損失が大きかつたが, 常温では損失が少ないものと考えられた。炒つた効果も認められた。