抄録
種々の入工色素液を調製し, このものにASAを添加した場合色素の槌色が起る。この槌色は時間の経過と共に増加し, ASAの濃度の増加に伴なって槌色度も大となるが比例的には増加しない。また逆にASAを一定とし色素液を稀薄にした場合には色素液が稀薄になるにつれて槌色度も大となつて来る。光線照射によつて色素の裾色は一層起り易い。ASAの酸化抑制剤であるEDTAを添加した場合には槌色は起らない。またASAの代りにDHAを作用させた場台も槌色しない。これ等の事実よりASAがDHAに酸化される際に大部分の槌色が起るものと考える。