1958 年 11 巻 3 号 p. 153-155
(1) β-アミラーゼに予めビタミンB1 (以下B1と略す) を加えた場合の時間及び温度の差は酵素の活性度に影響を及ぼさなかつた。
(2)β-アミラーゼに予めB1を加えたもの基質に予めB1を加えたもの及び酵素基質B1等を同時に混合したもの等三者の間には酵素活性度に関しては有意の差を認めなかつた。
3) B1の濃度が10-3Mの場合には20%の酵素活性度阻害を起したが1/8×10-3M以下のB1濃度の場合には阻害作用を認めなかつた。
(4) ピリミヂン部チアゾール部各々単独及び両部を単に混合したものは酵素作用を阻害しなかつたがチオクロームは相当濃度のB1 (10-3M) の場合の約半分の阻害 (11.69%) を認めた。即ちピリミヂン部とチアゾール部との結合がβーアミラーゼの作用阻害に有意義なことが覗われた。
本実験の遂行に当つて終始協力された馬場輝子助手に深く感謝の意を表する。