栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
疏菜類におけるビタミンB2の形態と分布について
藤原 孟
著者情報
ジャーナル フリー

1961 年 13 巻 6 号 p. 360-363

詳細
抄録
冬期蔬菜5種につき, 幼葉, 成葉, 葉柄又は茎, 根にわけて各組織のB23型分別定量を行なった。
また5種の夏期蔬菜の葉について同様の定量を行なった。その結果たいていの組織にはFAD>FMNの関係が認められたが, 茎, 葉柄, 根のような繊維質の組織で代謝機能の不活撥なところではFAD含有率の低いものがみられた。FRの含有率は冬期蔬菜においては比較的低いが, 夏期蔬菜では高率をしめていた。
次にダイコンとコマツナの種子を砂耕法によって栽培し, 植物1個体中におけるB23型の動態をしらべたところ, B2総量の増加は植物体の生育に伴なってほぼ直線的であった。しかし種子ではFMN>FAD>FRであったものが, 発芽後生育が進むに従ってFADが急増し, やがてFADが最高率を占めるにいたる。ただダイコンの場合に, その組織の若いときに一時的にFMNが高率を占める時期のあることが認められた。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top