栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
変敗油の調理に及ぼす影響 (第8報)
煙製物の褐変現象について
梶本 五郎
著者情報
ジャーナル フリー

1961 年 14 巻 2 号 p. 122-125

詳細
抄録

1. 鯨脂肪皮を燻製し, その色調を調べ褐変することを認めた。
2. 0.1%のBHA, BHT, PG, isoAG, ハイドロキノン, ナフトール水溶液に鯨脂肪皮を浸積し, 浸積後の色調をみると, BHT, BHAでは1ヵ月放置しても変色せず, isoAGは少し変色し, ハイドロキノンでは数分にして赤褐変した。
3. 燻煙中のハイドロキノンをペーパークロマトグラフィで確認した。
4. ハイドロキノンとアンモニア, 燻煙成分及び燻煙分別物 (ハイドロキノン) とアンモニア, 鯨脂肪皮から水に捕集したアンモニアとハイドロキノンとを溶液中で反応させるといずれも褐色を呈した。
5. 市販の鯨脂肪皮中に0.1%のアンモニアを含み血合肉程そのアンモニア含有墨は多い。
6. 燻製脂肪皮に水を加え, 水抽出物にアニリンを加え, 沈澱物を作りその吸収曲線を求めた。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top