栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
変敗油の調理に及ぼす影響 (第7報)
抗酸化剤浸清鯨脂肪皮と燻煙処理鯨脂肪皮の抗酸化性と抗酸化剤の防腐性について
梶本 五郎
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1961 年 14 巻 2 号 p. 118-121

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抄録
1. BHA, BHT, ハイドロキノン含有量0.1%均一エマルジョンを作り, 鯨脂肪皮を浴比1: 20の割で1時間と3時間浸漬し, 常温にて2カ月間放置し, 放置後の脂肪皮抽出油の性状をみた。その結果BHA, BHTでは僅かに抗酸化性を示すのみで, ハイドロキノンではむしろ酸敗を助長せしめた。
2. 鯨脂肪皮に10. 20. 40. 60. 90分間それぞれ燻煙を行ない, 2カ月放置後の抽出油の性状をみた。酸価。過酸化物価は, 燻煙処理時間が増すにしたがい次第に小さくなり, 60分間処理が最も抗酸化性があった。
3. BHA, BHT, ハイドロキノン, EMQ, UOPなどの抗酸化剤と燻煙成分の黄色萄葡状球菌に対する抗菌性をHalo Testで調べ, これらの内ハイドロキノンが最も抗菌性があリ, 次いでUOP, EMQ, BHT, 燻煙成分の順で, BHAは抗菌性を示さなかった。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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