抄録
1. BHA, BHT, ハイドロキノン含有量0.1%均一エマルジョンを作り, 鯨脂肪皮を浴比1: 20の割で1時間と3時間浸漬し, 常温にて2カ月間放置し, 放置後の脂肪皮抽出油の性状をみた。その結果BHA, BHTでは僅かに抗酸化性を示すのみで, ハイドロキノンではむしろ酸敗を助長せしめた。
2. 鯨脂肪皮に10. 20. 40. 60. 90分間それぞれ燻煙を行ない, 2カ月放置後の抽出油の性状をみた。酸価。過酸化物価は, 燻煙処理時間が増すにしたがい次第に小さくなり, 60分間処理が最も抗酸化性があった。
3. BHA, BHT, ハイドロキノン, EMQ, UOPなどの抗酸化剤と燻煙成分の黄色萄葡状球菌に対する抗菌性をHalo Testで調べ, これらの内ハイドロキノンが最も抗菌性があリ, 次いでUOP, EMQ, BHT, 燻煙成分の順で, BHAは抗菌性を示さなかった。