栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
アミノ酸の栄養に関する研究 (第4報)
必須アミノ酸の欠乏について
宮崎 基嘉早川 清一桜井 芳人
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1961 年 14 巻 3 号 p. 207-211

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抄録

純アミノ酸混合物をN源とした合成飼料によって, 各必須アミノ酸欠乏試験をラッテについて行ない, 主として体重減少の度合から, 各アミノ酸の欠乏の状態を観察した。単一必須アミノ酸欠乏の影響はアミノ酸の種類によってかなり差異があり, 影響の強さによってだいたいグループに分けられる。即ち (1) 欠乏の際に体重降下の激しいものはイソロイシン, スレオニン, バリン2) 無蛋白と同程度のものはロイシン, トリプトファン, メチオニン (3) 体重降下のあまり激しくないものはリジン、ヒスチヂン, フェニールアラニンであうた。但し, 必須アミノ酸群のみによる欠乏試験においては, 非必須アミノ酸を含んだ場合に比しマチオニン並なにフェニールアラニン欠乏がやや激しく現われた。(4) アルギニン欠乏の際は体重は上昇するが対照区にくらべればかなり劣る。
また, 飼料中のN量を変更するとき, リジン, スレオニンの欠乏ではN量にかかわらず同程度であったが, でソロでシン欠乏の際の体重減少はN量を増すほど激しくなる傾向を認めた。
終りに, 本研究は農林省の家畜栄養研究協議会の一環として行なったものであり, また実験に際して, アミノ酸試料などの御援助をいただいた味の素株式会社, 田辺製薬株式会社, 三共化成工業株式会社の各社に深謝する。本報告の一部は第51回国民栄養研究協議会 (1959) に於いて口演した14)

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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