栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
豆乳に関する研究 (第1報)
中山 修渡辺 篤二
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1962 年 15 巻 3 号 p. 191-195

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抄録
1) 豆乳の製造条件すなわち加水量, 加熱温度, 加熱時間が豆乳の組成, 性状に及ぼす影響を検討した。加水量が少ないと一部の蛋白が不溶性化し, また粘度が著しく高くなり, このものは稀釈した場合でも当初から加水量を多くしてつくった同一固形分の豆乳より高い粘度を示す。この傾向は加熱温度の高いほど, 加熱時間の長いほど著しい。
2) 冷抽出豆乳およびこれを加熱した豆乳の性状を検討し, 加熱によって粘度は増加するが常法による熱抽出豆乳に比べると粘度低く, 色がよいことを認めた。
3) 豆乳に食塩 (1%), 葡萄糖または蔗糖 (10%), を添加すると粘度がやや増すが, 食塩を0.15%加熱前に添加すると粘度の増加が特に顕著である。
4) 豆乳の脱臭方法としてあらかじめ大豆の浸漬水に過酸化水素を0.01-0.1%とかし, また加熱の際水蒸気を10分位吹込むことが有効であることを認めた。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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