栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
午蒡の緑変反応 (第1報)
クロロゲン酸の分離と証明
間野 義克倉富 ミサチ大内 キヨコ瀧口 実
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1963 年 16 巻 2 号 p. 78-81

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抄録
(1) 午蒡の各種溶剤抽出区分のn-BuOH: AcOH: H2O; 4:1:5v/vによるペーパーク・マトグラフィーに卵白透析液濃縮液を発色剤として用い, この発色剤と緑色~青色を呈するスポットを追究した。
(2) 水, アルコール可溶, 酢酸エチル不溶部にRF値0.65の青色スポットを得た。
(3) RF値0.65部分を70%MeOHで抽出し, MeOHを留去後CHCl3抽出によりCHCl3可溶成分を除いたCHCl3不溶部分の水溶液はRF値0.64で, クロロゲン酸のRF値0.64と一致し, 紫外部吸光曲線の吸収極大は323mμで, 262mμに吸収極小の谷があり, 曲線全般に亘りクロロゲン酸水溶液の吸光曲線と一致している。
(4) RF値0.65部分より得られた (3) の如き性質を示す成分はクロロゲン酸である。
(5) RF値0.65のスポットが青色を示す理由は, このスポット部分にクロロゲン酸, ニンヒドリン反応陽性のロイシン等が存在し, 塩基性の卵白透析液濃縮液の添加により青色反応を呈するためと考えた。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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