栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
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学校給食用パンの品質改善に関する研究 (第2報)
パン原料の性質ならびにパンの脂肪含量について
奥田 輝雄川北 兵蔵
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1964 年 16 巻 5 号 p. 420-424

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抄録

学校給食パンの品質改善のためには, まず, その現状を知る必要があるので各小学校から採取した試料につきパンの脂肪量を測定し, 同時に学校給食パン加工指定工場から採取した原料小麦粉およびショートニングの品質を検討し, 次の結果をえた。
1) パンの脂肪量は昭和35年においては推定平均値の範囲が1こ取りコッペパンでx=3.29±0.293%, 2こ取りコッペパンでx=2.98±0.426%, 食パンでx=3.32±0.258%と偏りが大きかったが, 昭和36年には, 1こ取りコッペパンx=3.24±0.088%, 2こ取りコッペパンx=3.43±0.211%, 食パンx=3.37±0.145%というところまで改善された。
2) ショートニングはほぼJASに合格し, 品質管理が比較的よく行なわれていた。
3) 小麦粉の主な成分量は個々については製粉会社別に差がみられ, 検収規格に合格しないものもあったが, おおむねそれらに近かった。ただ, 蛋白, 灰分量に差が認められたことは品質管理上, 今後検討を要するものと考えた。
4) エクステンソグラムにおいて製粉会社別に明らかな差がみられ, この物理的性質の相違が主要工程に大きな影響があるものと推測した。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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