栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
人乳ならびに牛乳の結合性糖類に関する研究
長沢 太郎両木 岱造清沢 功寺本 容子
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1964 年 17 巻 3 号 p. 217-222

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抄録
人乳および牛乳の結合性糖類を定量し, 乳汁中の蛋白質1g当りの結合性糖類含有量を算出し, さらに人乳については泌乳日数による各成分の経時的変化について観察した。また, 各態窒素と結合性糖類の相関関係について検討した。
その結果, 人乳と牛乳の結合糖類は蛋白質1g当りの含有量に換算した場合, 著しい相違が認められた。すなわち, 人初乳はヘキソース2.8倍, ヘキソサミン18.6倍, シアル酸4.6倍それぞれ牛初乳より高く, 人常乳はヘキソース2.2倍, ヘキソサミン12.5倍, シアル酸4.1倍牛常乳より高い値を示した。
人乳の各成分は全ヘキソースを除いて分娩後経過日数の増加に伴なって減少した。また, 蛋白質1g当りの糖類結合量からカゼインおよび乳清蛋白質以外の糖類含有量のたかい蛋白質乃至多糖類の存在が予想された。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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