1964 年 17 巻 4 号 p. 255-262
われわれが前9報にのべた栄養係数論にもとづく献立解析の方法は, 本報において京都市学校給食の解析に適用された結果従来ややもすれば典型的献立との単なる類比にとどまりがちであった献立立案もしくは評価の仕方を, 栄養学的知見に従ってより精密な数値を媒体として考えなおし, あるいは図形としてみなおすために有用であることが明かになったといえよう。
学給献立についてはさらに基本的に, 文部省の基準量によらず, その地域の体位, もしくは目標とする体位にもとづく府, 県, 市など地域独自の摂取基準栄養量を設けるべきであり, そのほか問題点は多いのであるが少なくとも献立解析の手法としては本論の方法が現状では要をつくすものと考えたい。
なお本論のもうひとつの目的である京都市昭和37年度学給献立の評価については各論にのべたのでここには再掲しないが, 関係各位の献立作製に注がれたなみなみならぬ努力のあとが偲ばれると共に, われわれの方法によってなお仔細に検討すれば今後に残された課題もまた多いことも明かである。