栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
変敗油の調理に及ぼす影響 (第30報)
家庭における調理油の疲れ度合について
梶本 五郎笠村 貴美子真鍋 恵子前場 佳子向井 克憲
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1964 年 17 巻 4 号 p. 290-292

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抄録
家庭でのフライ油の疲れ度合を調べるため, 市販の大豆白絞油を1.8l購入し, 500mlを支那鍋に入れ, 各揚げの回ごとに100mlをさし油し, 4人家族として各種の献立を作り, 1週に2回 (月曜日と木曜日) フライ物を行ない, 油脂1.5lを消費し終るまでのフライ油の疲れ度合を求めた。
その結果, つぎのことが明らかになった。
(1) 調理回数が増すにしたがい, わずかずつフライ油の泡延距離が拡がり, 酸価も増加した。すなわち劣化しだす。ただし, 揚げの回数が5回目まではいちじるしい疲れを示さず, 6回目すぎから疲れが目だった。
(2) フライ後の調理油を鍋のまま放置, 鍋に蓋をした場合, あるいは瓶に貯蔵した場合とでは瓶に貯蔵したフライ油は疲れがおそく, 次いで蓋をした場合, 無蓋の場合は最も油脂を劣化させた。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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