抄録
飼料酵母Mycotorula japonicaは高等動物の消化液では消化されにくい細胞壁をもっているが, これを菌核菌が生産するβ-D-1, 3グルカナーゼを含む粗酵素液で処理して酵母蛋白質成分を有効に分離する方法を検討した結果, 第1回の処理で酵母全窒素の約50%が抽出され残渣をさらに0.5N NaOHで処理することにより全窒素成分の90%以上が抽出された。なお粗グルヵナーゼ液にはかなりの灰分を含むため抽出物中の灰分含量が高まるが, 粗グルカナーゼ液を流水透析することによりグルカナーゼ活性の低下なく, ある程度灰分を除くことができた。本酵母抽出物をカチオンおよびアニオン交換樹脂で処理することによりさらに大部分の灰分を除去した脱塩物と, その原料である脱核酸酵母およびそのグルカナーゼ処理抽出物のアミノ酸組成を測定した。