抄録
加熱処理された卵白のペプシンによる分解性は加熱温度の高低いかんにかかわらず同一であるがトリプシンによる分解性は加熱温度の高いほど大きい。卵白溶液にガンマ線を照射する場合, あらかじめ, 卵白を加熱してから照射させると酵素分解性はペプシン, トリプシンいずれの場合も照射前と同一であった。
ガンマ線照射をうけた卵白を加熱した後酵素を作用させるとペプシンによる分解性は加熱の影響を全くうけないがトリプシンによる分解性は加熱により増加した。照射とそれにつづく加熱処理の組み合わせ効果はほぼ相加的である。