抄録
魚粉5~10%, 脱脂大豆10~15%を含む飼料にL-リジン塩酸塩 (L) 0.2~0.5%を添加して, 幼ヒナおよび中ヒナを用いてその成長, および体成分に及ぼす作用について研究した。
基本飼料に魚粉を10%配合したものでは, L 0.5%添加の効果は予期したように僅少であった。
基本飼料中の魚粉の半分を脱脂大豆にかえた場合には, L 0.2%の添加で成長率にも, 飼料効率にも, タンパク効率にも, 体タンパク蓄積効率にも明らかな効果が認められた。しかしこの際L 0.5%に増しても効果は増大せず, かえって減少した。これはLys. 過剰の影響と考えられた。
基本飼料のタンパクレベルを20%に増したものに, L 0.2%を添加した場合にも, その効果が認められた。
これらのことからヒナで飼料に少量の動物質を配合した場合, タンパクレベル17~20%では, Lは0.2%添加で十分に効果を示すことが明らかとなった。