栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
ブラウン・ソースの研究 (第2報)
一般成分の変化
平野 雄一郎高岡 祐二菊池 武昭
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1966 年 18 巻 6 号 p. 449-452

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抄録
1) ブラウン・ソース製造中の一般成分, 色調の変化を調べ, あわせて呈味その他についての諸観察を行なった。
2) 水分はわずかに増加し煮熟約9時間以後はほぼ一定である。
3) 油脂は減少し煮熟約15時間で殆んど浮上し除去される。
4) メタノールおよびアセトン抽出液の350mμ付近の吸収が煮熟にしたがって増加するが, 石油エーテル, ベンゼン抽出液ではこの吸収の変化は少ない。
石油エーテル, ベンゼン抽出液にみられる470mμ付近の吸収が煮熟時間とともに減少するのは油脂量, カロチノイド含量と関係があるようである。
5) 全窒素はわずかに増加するが煮熟9時間以後は変化しない。
6) アミノ態窒素は殆んど変化しない。
7) 還元糖は増加し非還元糖は減少の傾向がある。
8) 還元性物質は漸増の傾向がある。
9) 螢光物質量は若干変化する。
10) 甘味と旨味は減少し, 酸味と鹹味の変化は少ない。風味は煮熟数時間頃のものが最も好ましいと判定した。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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