栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
食餌組成とコレステロール代謝 (第1報)
コレステロール代謝に及ぼす穀類蛋白質の質と量の影響
和田 せつ有山 恒
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1966 年 19 巻 1 号 p. 27-31

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抄録
そば, ひえ, 白米などの穀類蛋白質を含む試験食における血清および各臓器コレステロール濃度を測定し, その蛋白質含量ならびに質の影響をカゼインと比較して次のような結果を得た。
(1) 制限食では高蛋白, 低蛋白いずれの場合も血清コレステロール値はあまり高値を示さない。
(2) 自由食の場合, 30%蛋白群か5%蛋白群より血清コレステロール値は低い傾向を認めた。
(3) 穀類蛋白質の種類による相違は制限食5%ひえ蛋白 (P<0.01で有意差) の場合以外ほとんどない。
(4) 18%カゼイン, 標準食群は血清コレステロール濃度は正常域を示し, カゼイン30%の場合は穀類蛋白群よりいかなる場合も低い血清コレステロール値を示した。
(5) 肝臓, 肺臓コレステロールおよび排泄キリアニ反応物質は, 自由食において血清コレステロール値と反対の傾向を示した。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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