栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
19 巻 , 1 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 千畑 一郎, 伊藤 博, 川島 啓助
    1966 年 19 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1966/05/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
  • 印南 敏, 手塚 朋通
    1966 年 19 巻 1 号 p. 10-13
    発行日: 1966/05/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    こんにゃく粉がカロリー源としてどの程度動物の成長に利用されるかを知るための第一段階として, 米でんぷんの一部をこんにゃく粉で置き換え, pair feeding methodを用いて15%および30%こんにゃく粉混入群を米でんぷん群と比較した結果, 体重増加では両者とも米でんぷん群よりやや劣る程度で, あまり著しい差はみられなかったが, 腹部の膨満がみられたので剖見したところ, 消化管 (内容物共) の重量が大きく, いわゆる見掛けの体重増のあることが判明した。そこで終体重から消化管の重量を差引いた値からさらに初体重を引いたものを仮に真の成長量と考えて比較検討した結果, こんにゃく粉の混入の多くなるに従い, 成長量は劣るがある程度ネズミの成長に効果のあることがうかがわれた。しかしその程度がどのくらいかについては判然としなかった。一方こんにゃく粉炭水化物の消化率は97~99%であって, 井上が人間で得られた成績にほぼ等しい結果を得た。
  • 印南 敏, 手塚 朋通
    1966 年 19 巻 1 号 p. 14-16
    発行日: 1966/05/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    こんにゃくマソナソが腸内細菌によって分解をうけ, 単糖類となり, その一部が腸管から吸収されてシロネズミの成長に寄与しているが, 実際にどの程度成長に貢献しているのか, つまりこんにゃくマンナソの生体内利用度を知る目的で実験を行なった。
    すなわち, 飼料中の米でんぷんの半量をこんにゃく粉および寒天で置き換えてpair feeding法により飼育し { (終体重一消化管の重量) 一初体重} を真の体重増加量 (成長量) と考え, この値から生体内利用率を算出した。すなわち, 寒天群の成長量を0, でんぷん群のそれを100とすると, こんにゃく群のそれは44.7, つまり米でんぷん群の示す成長量の約45%の成長を示したことになる。換言すれば, 今回の実験条件ではこんにゃく粉炭水化物の約45%がシロネズミの真の成長のために利用されたといえる。
  • 中村 延生蔵, 山田 幸二, 飯塚 容, 春田 信行
    1966 年 19 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 1966/05/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    白米にLys., Thr. 以外にTry., Met. を補足した場合の影響について成長, 飼料摂取量, 飼料効率, 窒素効率, 尿中クレアチニン態窒素, 尿中アラントイン態窒素の排泄などとの関係につき検討した。なおあわせて食餌中の脂肪含量によるLys., Thr., Try., Met. の補足効果につき検討した。白米を主としてアミノ酸を加えずに高脂肪食, 低脂肪食で飼育すると成長にかなりの相違が認められるが, Lys., Thr. を組合わせて補足すると成長を促進し, 飼料効率, 窒素効率は高くなる。また尿中のクレアチニン態窒素, アラントイン態窒素の排泄が多くなり, 肝臓中の窒素含量, 血清蛋白質含量は高くなる。Lys., Thr. 以外にTry. を組合わせて補足しても増体量並びに尿中成分になんらの変化も認められなかった。しかし, Lys., Thr., Try., Met. を組合わせて補足すると成長はさらに促進し, 増体量の曲線では低脂肪群と高脂肪群の場合でほとんど差異が認められないが, 特に高脂肪群 (15%脂肪食) に於いては飼料効率, 窒素効率は高くなり, 尿中のアラントイン態窒素の排泄量が多くなる。低脂肪食の場合にはほとんどLys., Thr., Try. だけを加えた場合と変わりなかった。
  • 小林 邦彦, 望月 和夫, 岩田 久敬
    1966 年 19 巻 1 号 p. 23-26
    発行日: 1966/05/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    魚粉を5%配合した基本飼料にL-リジン塩酸塩 (L) を0.2あるいは0.5%補足した場合, ヒナの成長, 飼料効率, タンパク効率を測定し, 最後に血液および肝臓の遊離アミノ酸に及ぼす影響について研究し考察を行なった。
    基本飼料のアミノ酸組成からはMet. が制限アミノ酸であるにもかかわらず, L0. 2%の補足はヒナの成長を対照区に比べて約20%増大し, 飼料効率およびタンパク効率も同様に増大することを認めた。
    L0. 5%の補足効果は0.2%の場合のように顕著ではなかったが, 成長, 飼料効率およびタンパク効率いずれも対照に比べて約10%増大することが認められた。
    血液の遊離Lys. はLの補足により増大し, Thr., Phe., Val. も増大の傾向にあることが認められた。Met. はほとんど認められず, したがってその変化も明らかではなかった。しかしCys., Try., Tyr., Leu. +Ileu., His., Gly., Asp., Ser. などは僅かに減少することが認められ, 全体的に減少しているものが多かった。しかしその差は明らかなものではなかった。
    肝臓中の遊離Lys. は血液のようなLの補足による増大は認められなかった。Met. は血液におけると同様に認められなかった。Thr. を始めPhe., Cys., Tyr., Leu. +Ileu., His., Asp., Ser. などいずれもLの補足により減少し, Try., Arg., Ala. は増大し, Val. とGly. は増減が明らかではなかった。
    対照区の肝臓遊離アミノ酸を100としてそれぞれのアミノ酸の増減をあらわして, 平均するとL補足により遊離アミノ酸量は減少し, その減少の度合はL補足による成長促進効果とほぼ平行していることが認められた。
  • 和田 せつ, 有山 恒
    1966 年 19 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 1966/05/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    そば, ひえ, 白米などの穀類蛋白質を含む試験食における血清および各臓器コレステロール濃度を測定し, その蛋白質含量ならびに質の影響をカゼインと比較して次のような結果を得た。
    (1) 制限食では高蛋白, 低蛋白いずれの場合も血清コレステロール値はあまり高値を示さない。
    (2) 自由食の場合, 30%蛋白群か5%蛋白群より血清コレステロール値は低い傾向を認めた。
    (3) 穀類蛋白質の種類による相違は制限食5%ひえ蛋白 (P<0.01で有意差) の場合以外ほとんどない。
    (4) 18%カゼイン, 標準食群は血清コレステロール濃度は正常域を示し, カゼイン30%の場合は穀類蛋白群よりいかなる場合も低い血清コレステロール値を示した。
    (5) 肝臓, 肺臓コレステロールおよび排泄キリアニ反応物質は, 自由食において血清コレステロール値と反対の傾向を示した。
  • 中村 延生蔵, 山田 幸二, 木村 孝雄
    1966 年 19 巻 1 号 p. 32-35
    発行日: 1966/05/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    白米蛋白15%食に於いて, Lys., Thr., Met. の補足による白ねずみの成長, 飼料効率, 窒素効率, 尿中の窒素成分, 肝臓成分などに対する影響について, 20日間の飼育実験を行なって検討した。白米蛋白15%食に対するLys. の補足によって成長, 飼料効率, 窒素効率には効果が認められたが, 尿中の窒素成分, 肝臓成分には差異が認められなかった。また, Lys. とThr.; Met. を組合わせても成長, 飼料効率, 窒素効率, 尿中の窒素成分, 肝臓成分には大きな差異は認められなかった。したがって白米蛋白質は15%蛋白レベルに於いてはLys. 以外のThr., Met. などのアミノ酸の補足は効果を示さないと思われる。
  • 西村 嘉孝, 塚本 桂子
    1966 年 19 巻 1 号 p. 36-39
    発行日: 1966/05/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    (1) 馬鈴薯搾汁中のphospharylaseと酵母のphosphoglucomutaseとを利用して, glucose-6-phosphateの生成条件を検討し, 最適条件を設定した。
    (2) 上記の条件のもとに, 可溶性澱粉10gより純度98%のGlucose-6-phosphateのBa塩の結晶約2.4gを得ることができた。
  • 小牧 久時, 小沢 篤子
    1966 年 19 巻 1 号 p. 40-45
    発行日: 1966/05/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    高等植物と異なり, 微生物のカリウム要求には著しい差があり, ある種の微生物はカリウム欠乏培地 (当初, カリウム無添加培地と名付けたが, ガラス容器から溶出してくるカリウムの量を無視することはできないので, 後にカリウム欠乏培地と名付けた) においても良く生育増殖するものがかなり多いことを見出した。すなわち, Zigopichia sp., Candida utilis, Saccharomyces Rouxii, Saccharomyces cerevisiae, Aspergillus niger, 雑菌II (未同定) 等の微生物はカリウム欠乏培地によく成育増殖することが判明した。次にこのうち特にSaccharomyces cerevisiae, Saccharomyces ellipsoideusについては, 乾燥菌体収量, 対糖乾燥菌体収量, アルコール生産量, 対糖アルコール生産量, 総酸生産量, 対糖総酸生産量, 揮発酸生産量, 不揮発酸生産量について各々6~8回にわたり, 正常培地とカリウム欠乏培地についての比較を行なった。その結果, 同菌の対糖菌体収量及び対糖アルコール生産量は, カリウム欠乏状態 (炎光法によって定量せるに8ppm以下) においても大差のないことが判明した。また, Aspergillus nigerにおいては, 乾燥菌体収量, 対糖乾燥菌体収量, 総酸生産量, 対糖総酸生産量, 揮発酸及び不揮発酸とくにクエン酸生産量を定量した。その結果Aspergillus nigerによる対糖クエン酸生産量は, カリウム欠乏培地において, むしろかえってやや上まわることが判明した。我々の使用したカリウム欠乏培地 (カリウム無添加培地) には, カリウム塩を故意には加えていないけれども, ガラス容器から特に殺菌時に相当に多量のカリウムが溶け出るものと思われ, 殺菌完了後のカビ用カリウム欠乏培地, および酵母用カリウム欠乏培地中のカリウムはかなりの量に達しているものと思われる。そこでカリウム量を炎光法で測定してみると前者ににおいては8ppm (すなわち205μM濃度) ないしそれ以下, 後者においては20ppm (すなわち512μM濃度) ないしそれ以下であることが判明した。しかしながらこの程度の低カリウム培地においては, これらの菌がかなりよく生育増殖し, 醗酵生産物が同率またはむしろかえってやや能率よく生産されることはきわめて興味深い知見であると思うので報告した次第である。今後はさらに, 食品工業上重要な微生物の無機栄養要求について検討を行ないたい。
  • 柳沢 文正, 小笠原 公
    1966 年 19 巻 1 号 p. 46-49
    発行日: 1966/05/30
    公開日: 2010/03/26
    ジャーナル フリー
    強化精麦 (ビタバァレー) および精白米摂取による健康者並びに糖尿病患者の血糖と尿糖に及ぼす影響を調べるため, 同一人に100g宛の試験食を摂らせて血糖および尿糖を吟味した結果, 健康者では両試験食間に差異がないが, 糖尿病患者では明らかに強化精麦食が血糖, 尿糖ともにゆるやかな変動を示した。
    このことは両試験食の利用率から考えても糖尿病の食餌療法に対して一示標を示すものであり, その差異の理由については, 両試験食の澱粉構成の相違のためと, 糖尿病患者が健康者と異なり, 酸性体質のため酵素の賦活が糖質代謝に影響を与えるものと考える。
    しかしこれについてはさらに生化学的な検索を必要とする。
    また胃弱者の試験では健康者に比べて強化精麦食では最高血糖値を示す時間がおくれるが, これは健康者の試験では血糖の消長に差がないことから考えて, 食べなれの点や胃弱による生理作用の相違であろう。さらに研究することで胃弱症の程度判定ができるのではないかと思われる。
    以上両試験食の血糖, 尿糖に及ぼす影響の差異について報告したが, さらに電解質, 脂質, 酵素などについて研究する。
  • 山本 良子, 大浜 宏文
    1966 年 19 巻 1 号 p. 50-52
    発行日: 1966/05/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1. B2-But強化パンのB2-But含有量と分布均等性の検討
    強化パン中央部1g中のB2-But含有量の算術平均値は36.1μg/gである。表1のごとく33.3μg/g~37.1μg/gの確率分布であるから, ばらつきは比較的少ない。また, B2-Butの残存率は97%であるから, 製パン中の損耗はほとんどないといってもよい。しかし, 強化パンの端の部分では, 製パン中の損耗がかなり認められ, ルミフラビン螢光法にて定量した結果, 算術平均値は24.9μg/gと低い含有量を示し, また分布均等性も低い。端の部分のB2-But残存率は69%となり, 中央部と端の部分の含有量は明らかに差がある。このことは, B2-Butが製パン中に高温加熱のために分解したものと考えられる。
    2. 保存によるB2-But強化パンのB22-But量の変化
    製パン直後のB2-But含有量は35.2μg/gであり, 10日経過後のB2-But含有量は32.3μg/gであるから, 10日間保存による損耗は約8%となり, この両値をt分布で検定すると, 危険率1%で有意差が認められ, 強化パンのB2-But含有量は, 10日間経過により約8%の損耗を来たすことになる。しかし, 10日間も保存することは実際にはあまりないから, 経時的損耗もほとんど無視してよいと思う。
    3. 強化パンの加熱処理による影響
    120℃, 2時間加熱処理した場合には, 約1/3程度のB2-Butの分解を認めた。実際にトースターなどによる加熱処理はパンの表面がこれより高温になるものの, はるかに短時間処理であるし, パンの褐色の部分の残存率が約70%であることをみても, パンを加熱調理する場合のB2-Butの損耗は30%を越えることはあるまい。
    4. B2-But強化パンの味覚
    表5に示す如く, 強化パンの色については, 今回は食パンについて実施した故, 市販食パンの白色に対する既成意識のためか, 従来の市販食パンと今回の強化パンとの間に有意差が認められた。しかし, 市販エッグパンのようにすでに黄色の地色である場合には, B2-Butを強化しても色の変化は認め難く, 恐らく有意差は認められなくなると思う。味覚については市販食パンよりも良い評点を与えているパネルもあり, 市販食パンと強化パンとの間にTukeyの表より分析した結果では有意差は認められなかった。
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