栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
食品蛋白質のアミノ酸組成に関する研究 (3)
リジン定量値に及ぼす試料調製法の影響
品川 孝雄垣生 俊夫
著者情報
ジャーナル フリー

1967 年 19 巻 5 号 p. 358-360

詳細
抄録
食品蛋白質のリジン含有量を微生物法とDNP法によって定量し, 両定量値を比較検討した結果, 分析試料を非加熱的に調製した場合には, 微生物法定量値に対するDNP法定量値の比は, 肉魚類では96%以上, 植物性食品においても90%以上という高値が得られたが, 両種食品とも98℃ 1ないし8時間乾燥, あるいは肉魚類, 野菜類のごとき高水分含量試料の50℃ 15時間乾燥の場合には, いずれもその比は大むね90%あるいはそれ以下に止まる事を認めた。これらの結果から, 食品蛋白質中の生物的活性リジンの定量に際し, 特に含水量の高い場合の分析試料調製法としては, 既報のごとくアセトン脱水による非加熱処理法が適当であると思われる。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top