栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
蕎麦種子の発芽時における糖の消長について
高橋 美帆下村 得治
著者情報
ジャーナル フリー

1967 年 19 巻 5 号 p. 361-364

詳細
抄録

蕎麦種子について発芽に伴う糖含量と糖組成の変化を検討した。
その結果, 発芽に伴って全糖, 粗澱粉が著しく減少, 同時に可溶性糖, 還元糖が増加, やがていずれも平衡状態になることがわかった。
糖組成をみると未発芽種子にはsucrose, raffinose, stachyoseが存在し, 発芽後もこれら3種の糖は継続して存在し, この他にglucoseとやや遅れてfructoseが認められ, また発芽中期にはisomaltoseが, 後期にはisomaltotriose (?) が認められた。発芽全期を通してsucrose含量は常に一番高く, 発芽後期にはraffinose, stachyoseの割合が高まる傾向を示した。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top