1967 年 20 巻 1 号 p. 21-24
大豆たんぱく質, 白米たんぱく質およびこれらに米でんぷんを加えたものの計4種の試料について, 塩酸量を試料に対して1~1, 000倍の範囲で変えて加水分解を行なって, アミノ酸分析をし, 塩酸量の多少がアミノ酸測定値に及ぼす影響を考察した。たんぱく質単独試料では試料に対して100倍以上の塩酸量で白米たんぱく質のセリンを除いては, ほぼ満足すべき値を得た。でんぷん混合試料では, たんぱく質が大豆たんぱく質の場合は試料の100倍以上の塩酸量があれば, たんぱく質単独試料と同じ測定値を示したが, 白米たんぱく質の場合は試料の100倍の塩酸量では, チロシン, セリン, アルギニンの測定値が低く, 1,000倍の塩酸量でもチロシンの測定値は低かった。