抄録
1) 即席ラーメン製造工場で使用中の揚げ油の性状と栄養価の程度について検討した結果, 極度に変敗したものは認められなかった。しかし新鮮ラードにくらべいずれもその栄養価はいくぶん低下していた。
2) 変敗した油脂を含む即席ラーメンを調理したときの含有油の性状変化について検討したところ, 含有油は調理によりあまり性状に変化を生じなかった。すなわち過酸化物価は値が高いものでは約10%減少するが, 値の低いものではむしろ増加の傾向が認められた。また不飽和酸はいくぶん減少し飽和酸およびカルボニル化合物は増加した。