栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
20 巻 , 3 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 武 恒子, 大塚 一止
    1967 年 20 巻 3 号 p. 169-173
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    市販の黄タマネギの熱水抽出液および水抽出液を用いて, 呈味成分の検討を行なった結果を要約すると次の如くである。
    1) 核酸関連物質として, Adenine, Adenosine, Inosine, Hypoxanthine, ATPが含有されるが, 何れも微量である。
    2) _有機酸類として, Caproic acid, Isovaleric acid, Pyroglutamic acid, Oxalic acid, Malic acid, Citricacidが確認され, この中Citric acid, Malic acidの含量が比較的多量である。
    3) アミノ酸類はGlutamic acid, Aspartic acid, Arginine, Glycine, Lysine, Leucine, Isoleucine, Phenylalanine, Histidine, Prolineを確認したが, この中Glutamic acidの存在が顕著であった。
    4) 甘味成分として, Glucose, Maltose, Sucroseが存在する。
    5) タマネギの呈味に寄与している成分はグルタミン酸を主体とするアミノ酸類の旨味成分と, Glucose, Suc-roseらの甘味成分および辛味物質である。また, アミノ酸類の緩衝能が大で, 旨味にかなり寄与している。
    以上の結果は熱水抽出, 水抽出共に同じ傾向を示した。
  • 川村 信一郎
    1967 年 20 巻 3 号 p. 174-176
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/03/26
    ジャーナル フリー
    生の大豆をいってきなこにすると水分が約10%から約6%に減るが, 無水物に対する粗脂肪と全窒素の量はほとんど変化しない。水溶性窒素は全窒素に対する割合であらわすと原料で約78%であるのが約8%に減少する。これはタンパク質の栄養価値の上昇を示す。きなこでは還元糖が原料に対し約2倍に増加する。これはフルクトースがおもでグルコースも存在する。きなこをつくる条件 (140°で6分または160°で4.5分加熱) では少糖類は大して変化しないがわずかに減少するものと考えられる。
  • 栃本 安司, 金田 尚志
    1967 年 20 巻 3 号 p. 177-180
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 即席ラーメン製造工場で使用中の揚げ油の性状と栄養価の程度について検討した結果, 極度に変敗したものは認められなかった。しかし新鮮ラードにくらべいずれもその栄養価はいくぶん低下していた。
    2) 変敗した油脂を含む即席ラーメンを調理したときの含有油の性状変化について検討したところ, 含有油は調理によりあまり性状に変化を生じなかった。すなわち過酸化物価は値が高いものでは約10%減少するが, 値の低いものではむしろ増加の傾向が認められた。また不飽和酸はいくぶん減少し飽和酸およびカルボニル化合物は増加した。
  • 中川 一郎, 正名 洋子, 高橋 徹三
    1967 年 20 巻 3 号 p. 181-185
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    山形県海岸地区小児の思春期発育を形態的および生化学的面より観察した。
    海岸地区小児の思春期発育促進は農村小児に比べて早期に行なわれ, 都市小児のそれに近似した。この差は都市的, 海岸的および農村的生活法の違いに帰せられるであろうが, 一部はタン白質摂取, ことに量の違いによるものと考えられる。
  • 鴻巣 章二, 柴生田 正樹, 橋本 芳郎
    1967 年 20 巻 3 号 p. 186-189
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    採取直後のアサリでは採取時期や個体の大きさの相違によって, 有機酸含量に大きな差はみられなかった。コハク酸含量は常に40mg%以下で, 文献値に比ベて著しく低かった。しかし, 採取後貝を空中に放置すると, コハク酸は時間経過とともに増加してゆき, 特に夏期に増加量が多かった。他の有機酸の変化は少なかった。
    数種の貝類のコハク酸含量も, 文献値に比ベてかなり低かった。
  • 西土井 睦
    1967 年 20 巻 3 号 p. 190-193
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    食糧源, 蛋白源として, また光合成の媒体として研究されてきたクロレラには成長促進物質が含まれていることが解った。その物質は一般分析ではほとんどイーストエキスに類似しているが, その生物学的効果において非常に異なっていることが解った。
    その有効物質は光合成を行なうことによって生産されるものであって, クロレラであっても暗培養したものでは非常に少ないことが解った。
    成長促進効果も細胞分裂を促進させることに特徴がある。しかし培地が分裂速度に適していないことに原因があるようで, 培地組成さえ検討すれば全重量も細胞数の増大に比例して増加するものである。
    クロレラエキスとイーストエキスは化学分析 (現状の) では区別できないが, 分子篩によって簡単に分別でき, しかも効果の差が明確にし得ることが解った。
    あらゆる生物が生細胞の集団で, かつ細胞の分裂によって生命を維持していることから考えると, クロレラエキスはあらゆる生命の根源を与えてくれるものであるといえる。
    人間を含めた高等動物に対して成長促進効果が認められているが, それは単にクロレラの蛋白質量でも必須アミノ酸のバランスだけでもなく, むしろ細胞分裂が促進されることにあるのではあるまいか。したがってクロレラだけで全栄養を吸収する必要はなく, むしろ栄養価 (カロリーではない) を高める効果を利用すべきである。最近のクロレラは, 単に蛋白源としてだけ注目されているのではなくなった。
    クロレラの消化率が論議されていたが, むしろ変敗によることが多かったが, 現在では研究, 培養および処理技術が発達して来たので変敗などはほとんど考えられない。
  • 中山 葉子
    1967 年 20 巻 3 号 p. 194-197
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    煮熟, 塩もみ, 酢漬の各調理法がにんじん, きゅうりだいこん中のペクチン物質の分解におよぼす影響を研究した。
    1. にんじんの総ペクチン量は2.8%, 不溶性ペクチン量は2.2%, きゅうり, だいこんでは総ペクチンは1%, 不溶性ペクチン量は0.8%であった。またこれら蔬菜の可溶性ペクチンと不溶性ペクチンの比は, いずれも約1: 4であった。
    2. 蔬菜のペクチン物質は煮熟により不溶性ペクチン総ペクチンが漸次減少し, 可溶性ペクチンが増加する。にんじん, きゅうりに比較してだいこんのペクチン物質の分解は非常に遅い。
    3. 蔬菜のペクチン物質は食塩処理によっても生じるが, 煮熟による分解よりも遅い。塩もみによるペクチン物質の分解が生じる順序は, きゅうりが最も早く, ついでだいこん, にんじんの順であった。
    4. 6時間の酢漬によっては蔬菜中のペクチン物質の分解は生じなかった。
  • 上住 南八男, 笠間 一男
    1967 年 20 巻 3 号 p. 198-201
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    生後40~60日のSwiss系マウスをそれぞれ1カ月, 2週間, 無脂肪食で飼育した後, Harding Passays Me-lanomaおよびEhrlichの腹水癌を接種した所腫瘍にはともに多価不飽和脂肪酸の著明な減少, Eicosatrien酸の出現, Monoma酸の著明な増加, ステアリン酸の減少とみるにかかわらず, 腫瘍の発育自身はMelanoma発育の初期遅延以外, 対照とくらべ大きな差を見出すことはできなかった。
  • 森 日出男, 坂本 啓子
    1967 年 20 巻 3 号 p. 202-204
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/03/26
    ジャーナル フリー
    1. Clayらの方法により, 学校給食用輸入脱脂粉乳の蛋白性還元物価 (P.R.S価) を測定した。
    (1) 保存期間の長い粉乳はP.R.S価は大きくなる。
    (2) 粉乳酸度とP.R.S価にはとくに関連はない。
    (3) 高温貯蔵 (45℃) 中におけるP.R.S価の変化を測定した。
    (4) 液体還元乳の高温貯蔵 (40℃) 中のP.R.S価を測定した。3~4時間の範囲では殆んど変化がないか, むしろ減少した。
    2. 市販牛乳についてP.R.S価を測定した。
  • 守 康則, 財津 恭子, 塚原 洋子
    1967 年 20 巻 3 号 p. 205-210
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    ナガイモより硫安塩析法によりアミラーゼを分離調製し, その酵素の諸性質を検討し次の結果をえた。
    1. ナガイモにはα-アミラーゼは含まれず, ほぼ単一のβ-アミラーゼのみが分布する。
    2. ナガイモβ-アミラーゼの作用最適pHは6.0付近でpH 8.0以上, pH 3.0以下において著しくその活性を消失する。
    3. 作用最適温度はほぼ55℃で70℃以上において著しくその活性を消失し, またpH 4.0以下の酸性域において酵素の耐熱性は著しく消失する。
    4. 酵素活性はNa+, Cu2+, Mg2+, Fe2+, Co2+により阻害され, とくにCu2+による阻害が著しい。Ca2+, Zn2+による影響はみとめられない。
    5. 酵素活性はPCMB (p-chloromercuribenzoate), モノヨード酢酸により阻害され, その阻害はシスティン (塩酸塩) によって回復され, 可逆的阻害性を示す。さらにKCN, NaF, フェリシアン化カリによって阻害され, L-アスコルビン酸により軽度に阻害される。これらの点より本酵素はSH酵素に属することが考えられる。
    6. 酵素による可溶性デン粉の分解にもとづく生成糖はマルトーズで他の起源のβ-アミラーゼとその性質を同じくする
  • 守 康則, 熊野 節子, 南郷 逸子, 加納 三千子
    1967 年 20 巻 3 号 p. 211-215
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    L-アスコルビン酸とアミノ酸の褐変反応をとくにアスコルビン酸および酸化型L-アスコルビン酸とグリシンとの反応液について検討し, 次の結果をえた。
    1. L-アスコルビン酸-アミノ酸の褐変反応はα-アミノ酸の種類によってその褐変度を異にし, とくにグリシン, ヒスチジン, リジン, アラニンは著しい褐変反応をおこす。
    2. L-アスコルビン酸とグリシンの褐変反応はpH5.0以上において増大し, とくにアルカリ性になるほどその褐変反応は著しい。
    3. L-アスコルビン酸-グリシンの褐変反応はO2の存在下において促進され, N2ガス (嫌気的反応下) およびチオ尿素の反応液への添加によって抑制される。この点よりL-アスコルビン酸の酸化で生ずるデヒドロアスコルビン酸がグリシンと褐変反応を生起するものと考えられる。
    4. 酸化型L-アスコルビン酸はグリシンと著しい褐変反応をおこし, この褐変反応はO2非存在下 (N2ガス通気) の反応条件下においても進行する。
    5. エリソルビン酸はグリシンと褐変反応をおこすが褐変反応はL-アスコルビン酸-グリシンよりやや低く, とくにN2ガス通気の嫌気性条件下においては褐変反応はみとめられない。
  • 守 康則, 熊野 節子, 南郷 逸子, 加納 三千子
    1967 年 20 巻 3 号 p. 216-219
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    L-アスコルビン酸とα-アミノ酸との褐変反応をとくに2, 3-ジケトグロン酸, フルフラールおよび3-デオキシペントゾンとグリシンとの反応系について検討し, 次の結果をえた。
    1. 2, 3-ジケトグロン酸はグリシンと褐変反応を起し, この褐変反応はO2の非存在下においても進行する。また2, 3-ジケトグロン酸のみにもとづく褐変化もいちじるしい。
    2. フルフラールはグリシンと著しい褐変反応を起し, とくにpH8.0の反応液においてその褐変反応は著しく大きく, pH4.0においては褐変度は低い。
    3. 3-デオキシペントゾンはグリシンと褐変を起こし, フルフラールと同じくpH8.0の反応条件下において褐変反応は著しく高く, pH4.0においては褐変反応は抑制される。
  • 畠山 繁, 金田 尚志
    1967 年 20 巻 3 号 p. 220-222
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    バフンウニ卵巣脂質をカラムクロマトグラフィーを用いて分別しつぎの結果を得た。
    (1) 総脂質は生鮮原料中9.8%であった。脂質中リン脂質が約70%を占め, トリグリセライドは13%程度であった。リン脂質中50%程度はレシチンであり, セファリン, スフィンゴミエリンがこれに次いだ。
    (2) バフンウニ卵巣脂質の脂肪酸は極めて特異的で, 炭素数20以上の脂肪酸が50%以上を占め, とくにリン脂質にはC22: 1酸が50%ちかくふくまれていた。
  • 上月 叡子
    1967 年 20 巻 3 号 p. 223-228
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    今回の実験において標準カロリー2,200Calと低くし, カロリーによる差ならびに前回同様食餌内容の差 (主として, 動物性と植物性の差) による生体代謝上に及ぼす影響を検討し, 以下のごとき成績を得た。
    1. 血糖値: 高カロリー食では上昇傾向であったが, 今回の標準カロリー食では一旦, 急速な下降を示し, 動物性脂肪を多くした期間後期には上昇し, 植物性脂肪を投与した期間に入り再び下降, バランスを普通食に戻しても下降を示した。
    2. 血清蛋白: とくに標準カロリー食では動物性脂肪食投与時に著しい動揺下降傾向を示した。
    3. 血清蛋白組成比: 一般に動物性脂肪投与期間中は高値を示し動揺するが, 槙物性脂肪投与期間下降, 普通食投与により被検前値に戻る傾向であった。
    4. 尿中クレアチン, クレアチニン排泄量: 動物性脂肪投与期間では平衡状態, 植物性脂肪投与期間では明らかな下降傾向を示した。
    食餌療法についての基本的概念としては栄養素内容の他, 摂取総カロリーの影響をも十分考慮せねばならない。
  • 北村 禎三
    1967 年 20 巻 3 号 p. 229-233
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1. Rockhorn種成鶏の胸筋を5℃で8日間冷蔵し, この間供試筋の食品化学的変化を検討し, 自己消化過程にある供試筋の状態を明らかにした。
    2. 冷蔵鶏胸筋の自己消化は速く, 死後硬直は3時間目より始まり, 12時間目で最高に達した。24時間目には硬直が解除された。初期腐敗直前は7日目に, 初期腐敗は8日目に現われた。また酸性極限値 (pH 5.52) は24時間目に現われた。
    3. 筋蛋白質変性は5日目より顕著となり, この時期より塩溶性蛋白質態窒素量が増加し, 非塩溶性蛋白質態窒素量が減少した。これらの現象は初期腐敗に結びつく現象であることが判った。
    4. 水分減少は筋蛋白質の死後変性に関連して起こった。
  • 井上 伊造
    1967 年 20 巻 3 号 p. 234-239
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    1) 一般に細菌はアルカリ性で生育がよいが, 松茸より分離した細菌は酸性に生育がよいものが多い。
    2) ヒスタミン, フェニルエチルアミンの生成能の強い細菌が多いが, 特に生菌, 滅菌共に死亡する細菌はこの働きが顕著である。
    3) 中毒細菌についての免疫は認められない。
  • 渡部 俊夫, 橋本 孝生
    1967 年 20 巻 3 号 p. 240-242
    発行日: 1967/09/30
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    黒大豆もやしの子葉と胚部分について, 発芽10日目までのα-ケト酸の変化を薄層クロマトグラフィーにより測定した。
    10日目の下胚軸を除いては, どの部分にもグリオキシル酸, ピルビン酸, オキザロ酢酸, α-ケトグルタル酸, α-ケトイソカプロン酸が認められた。
    グリオキシル酸は他のケト酸よりもかなり存在量が多く, 発芽日数とともに子葉中でやや増加の傾向を示し, 胚部分では相当に増加する。特に新たに生育する部分に増加が著しい。
    α-ケトグルタル酸は子葉中で次第に減少する。また, 生育部分ではオキザロ酢酸とともに下胚軸に少なく, 10日目では認めることができなかった。
    明所発芽のものに比べて暗所発芽のもやしでは, ピルビン酸, α-ケトグルタル酸が生育部分に少なく, 子葉に多かった。
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