栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
無脂肪食の担腫瘍動物の腫瘍, 肝および皮膚の脂肪酸組成に及ぼす影響
上住 南八男笠間 一男山田 玉世
著者情報
ジャーナル フリー

1967 年 20 巻 4 号 p. 298-302

詳細
抄録
無脂肪食で飼育したマウスと, 大豆油添加食で飼育したマウスに, NF Sarcomaを移植し, その腫瘍の脂肪, 特に中性脂肪とリン脂質の脂肪酸組成の変化について, 検討すると同時に, これら担腫瘍動物の肝, および皮膚についても上記の差を比較した。
NF Sarcomaの脂肪含量は無脂肪食の方が多い。
脂肪酸については, リノール酸組成が著しく減少すると同時に, オレイン酸が増加する。またEicosatrien酸の出現をみる。
担腫瘍・無脂肪食動物の肝の中性脂肪は, オレイン酸が減少し, パルミチン酸は増加する。
リン脂質では, パルミチン酸の減少とステアリン酸の増加がみられる。
担腫瘍無脂肪食時の皮膚の脂肪は, 著しく減少し, 中性脂肪分画では, パルミチン酸, パルミトオレイン酸が増加, リノール酸, オレイン酸が減少している。
リン脂質では, ステアリン酸が減少し, オレイン酸が増加, リノール酸の減少をみると同時にEicosatrien酸の出現をみる。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top