栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
カルシウムおよびマグネシウム代謝 (29)
Ehrlich腹水ガンと血清透析性カルシウム
柳沢 文正小笠原 公武士俣 邦雄
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1968 年 20 巻 6 号 p. 472-477

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抄録
ゴマ油, 菜種油, 大豆油, 米糠油, べにばな油などの植物油ならびにメゾ酒石酸カルシウム, ビタミンK5, さるのこしかけ抽出液をEhrlich腹水ガン細胞移植ハツカネズミに投与し, 体重曲線, 生存率, 血清および腹水成分, 腹水腫瘍細胞密度について検討した。
1. ゴマ油, 菜種油, メゾ酒石酸カルシウム, ビタミンK5投与群は斃死期日の延長する傾向があり, これらの物質が血清透析性カルシウムを増加し, 総マグネシウムおよび無機リンを減少することと関連があった。
2. ゴマ油, メゾ酒石酸カルシウム, ビタミンK5投与群は, 血清ならびに腹水透析性カルシウムが高く, 無機リン, LDHが低値を示し, 腹水腫瘍細胞密度も少数であった。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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