栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
バランスされたアミノ酸混合飼料投与後の白ネズミの組織遊離アミノ酸濃度およびC14-スレオニンの体タンパク質へのとりこみ (第1報)
組織遊離アミノ酸の変動について
野田 克彦守時 圭子山本 茂吉田 昭
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1969 年 22 巻 2 号 p. 102-106

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抄録

1. 白ネズミに1日1回1時間だけ食餌を与える訓練を2週間行ない, 最後の日に15%の要求量の割合に混合したアミノ酸混合物を含む食餌を与えたのち各臓器中の遊離アミノ酸の変動を経時的に追跡した。
2. 血中遊離アミノ酸は食餌摂取によって上昇し, 8~12時間後に最高値に達し24時間でもとのレベルへ帰った。変動の大きなアミノ酸はスレオニン, リジン, アラニンなど, 小さなものはイソロイシン, ヒスチジン, アルギニンなどであった。各アミノ酸は必ずしも要求量の割合にしたがって一様に上昇するのでなく, 個々のアミノ酸によって大きな差が認められた。従って血中遊離アミノ酸の変動から食品中の制限アミノ酸順位を決定するのには以上の事実を考慮する必要のあることが示された。
3. 肝臓および筋肉中の遊離アミノ酸量は血中とは逆に摂食によって低下し, その割合は肝臓において大きくまた長かった。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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