抄録
ビタミンBの少ない白米に片寄り, 食塩の多い食事をしている水田地帯の人々は老化しやすいといわれている。そこで高食塩, 低タンパク質の白米食を組立てて農村食の代表とし, これら成分を変更したものを用いてネズミの長期飼育試験を行なった。
その結果飼料中の食塩濃度を2.5%から1%に減らしただけで腎臓の糸球体腎炎, 褐色色素沈着その他の退行変化が著しく減った。食塩を減らしたほかタンパク質とビタミンB類を増すと白米に粉乳を配合したものと差がないくらい良好な組織像を示した。白米ととうふの配合ではネズミにヨードの不足が生じ甲状腺が肥大した。