1969 年 22 巻 6 号 p. 371-374
こむぎおよびはだかむぎの種子 (胚乳) 成熟過程中の遊離糖含有量の変化状況をPPCの切りとり, 分割, 溶出, micro-Bertrand法およびglucose-oxidase法を応用して, 定量を行なった。sucroseとglucoseの2種は種子未熟時から成熟時にいたる期間を通して見出しうるが, raffinoseおよびstachyoseのスポットは, 種子の未熟時には見出しえないか, またはこんせき程度で, 種子成熟の後期に出現する。glucoseおよびsucroseは種子の未熟時に最大含量を示し, 成熟時に最少含量を示す。試料の種子形成初期の未熟時にはsucroseとglucoseが主要な糖であり, 成熟最後期の種子 (胚乳) 中ではsucroseとraffinoseが主要な糖である。