抄録
1. 黒大豆の種皮の色素はペーパークロマト法により2種類存在することを認めた。
2. 黒大豆の種皮を1%塩酸-メタノールで抽出後, 塩基性酢酸鉛で処理し, カラムクロマト法とマスペーパークロマト法で2種の色素を単離した。
3. 得られた各々の結晶について加水分解を行なった結果, 結合糖はいずれもグルコースであり, 色素Aのアグリコンはシアニジンで色素Bのアグリコンはデルフィニジンであった。
4. 糖の結合位置, 元素分析, 吸収スペクトル, 部分加水分解等により, 色素Aはシアニジン-3-モノグルコサイドであり, 色素Bはデルフィニジン-3-モノグルコサイドであった。