栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
シロネズミの予備飼育実験によるテクスグランの一考察 (I)
白田 きち安斉 きょう子斉藤 好枝鈴木 昭子
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1970 年 23 巻 1 号 p. 71-74

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抄録

以上を要約すると, 牛豚肉等普通肉50%のかわりに, 人工肉50%を使用した場合, 官能・嗜好テストにおいては, 両者間に差がみられず好評であり, かつまた, 実際の調理における栄養価の比較においても, 植物油を使用する調理法をえらぶことによって, 動物脂の弊害を伴わずにカロリー, 脂肪の不足を補足しうると考えられる。また, シロネズミの体重増加状態, 飼料効率, ならびに剖検の結果の測定成績, 内臓の諸重量, 骨の発育状態, その重量, Ca量の測定においても, 血清コレステロール, 肝キサンチンオキシダーゼの活性度をのぞいて, 有意の差は見られなかった。
ゆえに, 人工肉が良質の蛋白源食品として, 栄養価高く, しかも, おいしく, 経済的な食品としてだけでなく高血圧, 心臓病の予防食餌としての意義があるのではないかと考えられる。
なお, 現在, オリエンタル固型飼料によるネズミの測定成績との比較, ならびに, 植物性蛋白質のみ100%を使用したときとの相違, 牛豚等の普通肉と人工肉との相乗効果について検討中である。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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