栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
アルヵリ溶液中におけるアスコノレビン酸およびエリソルビン酸の自動酸化に関するポーラログラフ的研究
東野 哲三土屋 英夫伊藤 達郎
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1970 年 23 巻 6 号 p. 408-411

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抄録

AAおよびEAをアルカリ溶液中で空気中酸素によって酸化させると, 酸化前にAA, EAが示した第1波と第2波からなる2段の酸化波は消失し, 新たに第3の酸化波と還元波が出現する。 しかしその間の自動酸化の経過はAAとEAとで, また溶液のpHによってかなりの相違がみられた。 その経過を模式化するとFig. 3のように4型の自動酸化形式に分類することができる。 酸化波 (第3波) の半波電位はpH 9~13のアルカリ溶液中では+0.04~-0.14V (vs. S. C. E.), 還元波は-0.88~-1.21V (vs. S. C. E.) であり, この両波の半波電位は同一pHのアルカリ側でH2O2が示す酸化波と還元波の半波電位とよく一致した。 またこの両波は白金処理によって完全に消失した。 これらの理由から上記のような酸化波と還元波を示す酸化生成物は, AAまたはEAの自動酸化によって生成したH2O2であることを認めた。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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