抄録
牛乳のκ-カゼインをプロナーゼで分解し, セファデックスG-25およびG-50によるゲル 過およびDEAEセルロースクロマトグラフィにより分別し, ヘキソースを含む区分を集め, 50.2%の糖を含むグリコペプチドを得た。
このようにして得たグリコペプチドとともに, レンニンで分解した12% TCA可溶のグリコマクロペプチドおよびκ-カゼインについてそのアミノ酸, ガラクトース, ガラクトサミン, シアル酸の量より分子組成を比較検討した結果, 2つのグリコペプチドにおいてはいずれも略々同数のガラクトース, ガラクトサミン, シアル酸を含み, その比はκ-カゼイン中にあるこれらの残基の比ともほぼ一致した。
プロナーゼ処理により得たグリコペプチドは分子量3, 459で15のアミノ酸残基を含み, そのうちにはThr 5mol, Ser 2molとOH基を持つアミノ酸が約半数を占めていた。