栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
κ-カゼインのグリコペプチドに関する研究
牧 善輔金森 正雄
著者情報
ジャーナル フリー

1970 年 23 巻 9 号 p. 613-617

詳細
抄録
牛乳のκ-カゼインをプロナーゼで分解し, セファデックスG-25およびG-50によるゲル 過およびDEAEセルロースクロマトグラフィにより分別し, ヘキソースを含む区分を集め, 50.2%の糖を含むグリコペプチドを得た。
このようにして得たグリコペプチドとともに, レンニンで分解した12% TCA可溶のグリコマクロペプチドおよびκ-カゼインについてそのアミノ酸, ガラクトース, ガラクトサミン, シアル酸の量より分子組成を比較検討した結果, 2つのグリコペプチドにおいてはいずれも略々同数のガラクトース, ガラクトサミン, シアル酸を含み, その比はκ-カゼイン中にあるこれらの残基の比ともほぼ一致した。
プロナーゼ処理により得たグリコペプチドは分子量3, 459で15のアミノ酸残基を含み, そのうちにはThr 5mol, Ser 2molとOH基を持つアミノ酸が約半数を占めていた。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top