抄録
Avicel SFを用いたTLCによる糖の分離を行ない, 分離した糖をgallic acidと加熱反応させて生ずる呈色液を550mμで比色定量する糖の一新定量法を試み, 精度よく定量することができた。
(1) 担体としてホウ酸処理したAvicel SFを用い, 展開溶媒に酢酸エチル, ピリジン, 酢酸, 水 (5: 5: 1: 3) を使用することにより10種の糖の分離, 検出を行なった。
(2) (1) により分離した糖を0.1%のgallic acidと加熱反応させ, 生ずる発色液を550mμの波長で比色定量する。回収率は90%以上であった。
(3) PPC法においてのアニリン・フタレート試薬による発色斑からの糖類の回収率は悪く定量法としては適当でないが, 本法ではPPCよりも比較的容易に回収できWilson法に比べ簡便であり回収率も高くWolfrom法と同程度の精度であった。