抄録
味噌玉19種について, その一般性状とチラミン, ヒスタミン含量を測定した。その結果, 味噌玉の水分含量は外部, 内部共に試料によってかなり異なり, また水分含量は味噌玉の熟成に与える影響が大きく, たとえば蛋白質の分解程度, すなわち可溶性窒素, アミノ態窒素の生成割合は水分含量が増加するに従い高くなる傾向を示した。
また, 味噌玉の水分含量の低い場合のpHは中性ないし微酸性を呈し, その含量の高い場合は中性ないしアルカリ性を示した。
これらのことは, 微生物フローラの相異を示すものであり, たとえば水分含量の高い場合, カビ類の繁殖は, 味噌玉の表面にのみ見られた。
チラミン, ヒスタミンの含量は例外の2点を除いて, 極めて低かった。