栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
初経からの月令と体位, 熱量, たんぱく質摂取量との関係
鈴木 継美鈴木 久乃島野 ひな子北 郁子
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1971 年 24 巻 1 号 p. 41-45

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抄録
東京都江東区内某中学校女子生徒44名につき初経年令1968年6月の週日3日間の栄養摂取状況, 体位を調査し栄養摂取調査時点における初経からの月令にもとづいた体位, 熱量, たんぱく質摂取量を分析した。
(1) 初経年令中央値は12才10ヵ月, 範囲は11才から14才5カ月にわたっていた。
(2) 初経からの月令に対し, 身長・体表面積・ローレル指数は有意の正相関を, 1967年春から1年間の身長の伸び, Ponderal Index, 単位体表面積あたり熱量摂取量, 単位体重あたりたんぱく質摂取量は有意の負の相関を示した。
(3) 初経からの月令を独立変数として体表面積あたりの摂取熱量の回帰直線を求め, その回帰係数から初経後1年間の減少を計算すると-2.85Cal/m2/hr となり, 基礎代謝を実測したこれまでの報告と類似の数値を示した。
(4) 日本人の栄養所要量算出に用いられた体表面積, 体重ののび, 基礎代謝量, 所要量などからもとめた体重あたりのたんぱく質所要量から, 1年間の変化量をそれぞれについて計算し, 本調査結果よりえられた各該当の値と比較したところ, 栄養所要量基準値では基礎代謝の減少がより小さく, 表面積・体重の増加がより大きくみつもられていた。
それゆえ思春期の栄養所要量を現実に適用する場合にはこれらの問題点を考慮する必要があろう。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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