抄録
本邦においては有明海にのみ生息するハゼ科の魚類, ムツゴロウ, ワラスボ肉質中の糖燐酸エステルについてDowex 1-8Xを用いたExponential Gradient Elution方式によるカラムクロマトグラフィー, Avicel SFによるTLCおよび電気泳動を試み, つぎの結果を得た。
ムツゴロウ, ワラスボともにG1P, G6P, F1P, F6PおよびF1, 6Pの5種の糖燐酸エステルを確認定量することができた。
とくにG1P, G6Pの含有比はムツゴロウで1: 4, ワラスボでは1: 7であり, G6Pが解糖系の主要反応系の中心的な役割を果たしているであろうと推察された。