栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
ショウガたん白分解酵素の分離精製
市川 芳江佐々 初世道 喜美代
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1973 年 26 巻 6 号 p. 377-383

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抄録

ショウガ汁中のたん白分解酵素を抽出精製し, 単一標品として得, 若干の酵素化学的諸検討を行なった。ショウガ汁中には, 塩析, セファデックスG-100ゲルろ過では同じ動態を示すが, イオン交換クロマトグラフィー, 電気泳動的に動態を異にする2種のSHプロテアーゼの存在を見いだし, GP I, GP IIと略称した。両者は分子量は同じ22, 500であり, ともに活性にSH化合物を必須とする。至適pH, SH化合物による活性化, 重金属イオン, SH試薬による阻害程度はともに類似している。しかしSH化合物の活性化は, GP IのほうがGP IIより大きく, また金属イオンのうちAg+, Ni++の阻害はGP Iのほうが大きい点若干異なるが, 両者は, isoenzymeの可能性が考えられる。ショウガ汁の肉軟化効果は, このプロテアーゼによるたん白分解酵素活性と関連があると考えられる。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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