抄録
前報に引き続き, ショ糖脂肪酸エステルのin vivoでの消化性について検討し, 次の結果を得た。1) 硬化牛脂脂肪酸を脂肪酸残基とし, エステル化度を異にするショ糖脂肪酸エステルを用いた場合, エステル化度の低いものほど消化率は高くなった。
2) エステル化度を同一にした場合, 脂肪酸残基の鎖長が長くなるにつれてその消化率は低下した。また, 鎖長が同じであれば, 不飽和脂肪酸を脂肪酸残基とするショ糖脂肪酸エステルのほうが消化率は高かった。
3) このような脂肪酸残基の種類と消化性の難易はショ糖脂肪酸エステルのHLB値と密接に関連しており, 親水性の高いものほど消化率は高くなることを見いだした。