栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
卵黄のトコフェロール含量
笹子 謙治小林 弘昌津郷 友吉
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1974 年 27 巻 4 号 p. 147-151

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抄録
東京付近の鶏卵のトコフェロール含量を測定し, またそれに影響する二, 三の要因について検討し次のような結果を得た。
1) 7か所からの鶏卵40個について, 卵黄1gあたりα-Toc : 19.3±7.6μg, γ-Toc : 10.0±4.0μgであり, ばらつきが大きい。 δ-Tocは平均0.3μgであったが, 0.1μg以下の場合が多かった。 α-Toc/γ-Toc比は1~3で, 平均2であった。
2) 同一鶏の連続した卵ではTocがほぼ一定であるが, 個体による差が大きい。
3) Tocを1回経口投与すると, 卵黄のToc含量は投与後5日目で最高となり, その前後を合わせて3日間の卵にTocの移行が著しい。 各Tocを約30mg投与したときの卵黄への移行はそれぞれα-Toc18.0%, γ-Toc4.8%, δ-Toc1.0%であった。
4) α-Tocアセテート10mgを連日投与すると12日以降卵のα-Tocは一定となり, そのときのα-Tocの移行率は平均18.2%であるが, 個体差が認められた。 5) 殻卵をアルミフォイルで包み, デシケーターに入れ, 15℃で23日間保存したがα-Tocに変化はなかった。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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